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お知らせ

久しぶりに出前講座(新居小学校)です

加藤 進   社会連携特任教授    
紀平 征希  研究員         
川村 直也  三重大学4年生(教育学部)

 

 9月13日(火)は電池をテーマにした出前授業です。以前にも書きましたが、いま、教育学部の平賀教授と「出前授業の効果の評価手法の検討」ということで振り返りシートを使って、記述式の文章を書かせて、Rで解析しています。キーワードを使った記述式とキーワードを使用しない自由記述で、小学校と中学校で実施しました。

 

データ数も概ね100を超えました。Rではこの解析は難しく、MeCabというパッケージをインストールします。さらに、MeCabを使いやすくするためにインターフェースの役目をする石田基弘(徳島大)教授が開発されたRMeCabを利用します。授業を受けた生徒の書いた振り返り文から頻出する①語句、②品詞、③頻度を検索してくれます(n=100なら1min以内です)。そうしてどのような語句(おもに名詞、動詞)が使われたかを評価します。たとえば図1は中学教師のシート自由記述を名詞+動詞で視覚化したものです(これをwordcloudといいます。もう少しfilterをかける必要がありそうですが)。

ピンク色が高頻度、緑が低頻度です。「ダニエル電池」、「ボルタ電池」、「LED」、「備長炭電池」などが高頻度で使用されているとわかります。教師という立場を反映して「子ども」が現れ、"如何に教えていくか"も常に考えている次第が読み取れます。「イオン」という語句も見られます。よく見ると銅板ー亜鉛板ー半透膜=セロハンor薬包紙ーダニエル電池が見えてきます。中学で再度実験する備長炭電池も出現します。さすがに先生方です。

これに対して、現在、小学生のデータは入力の最中です。12月頃までには概要ができると思います。

 ついで、N-gram分析を実施予定です。N-gramというのは語句のつながりです。そうして語句の関連を見る訳です。たとえば

   「国境の長いトンネルを超えるとそこはもう雪国だった」

をn=2で品詞に関係なくN-gramでみると

  国境-の

  の-長い

  長い-トンネル

  トンネル-を

  を-超える

  超える-と

  と-そこ

  そこ-は

  ・・・・

という訳です。ここにfilterとして名詞あるいは動詞などを設定し、組み合わせの頻度を探ります。これを視覚化していきます。

 今回の新居小学校は自由記述です。担任の先生が良く指導をしているせいかたっぷり書いてくれました。量をたくさん書けない子は字を大きくして紙面を埋めています。たくさん書ける子は小さい字で。。。というふうに工夫の跡まで見ることができます。やや判読が難しい例もありますが、書くことには慣れているようです。どんな語句を書いていてくれるのか解析結果が楽しみです。

 


授業風景

いっぱい書いてくれた振返りシート

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