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第27回日本高齢者大会in三重に参加して

2013年9月12~13日

大原 興太郎 社会連携研究センターアドバイザー


27回日本高齢者大会in三重が2013912-13,三重大学と三重県総合文化センターで開催され、参加させ

てもらってきました。この組織は80年代の臨調行革路線の下で高齢者医療制度等が改悪される中で、高齢者の「ひ

とりぽっちをなくそう」と1987年より開催されているようです。

一日目は2500人、二日目は2800名の参加があったという大きな大会で、一日目は多くの分科会や講座がありまし

た。私は第9 分科会の「介護におけるタッピング・タッチ"タッピングタッチデリラックス"」に参加しました。ベルファー

ムの三つ目の育に健康で歳を取っていくことを学ぶ「健育」を取り上げている意味を私自身がもっとしっかり理解を深

め、今後の提案のヒントを得ることも参加動機でした。

まず、ロコモティブシンドロウム(田中由紀−津生協病院リハビリテーション科)のお話がありました。ロコモ・運動器

とは身体運動に関わる、骨、間接、筋肉などの総称で、運動器機能は加齢と不活動で低下するといわれます。ロコモ

疾患を悪化させないためのトレーニングは適度な刺激(重力・刺激)です。

日本人の健康寿命(70.42,73.62)をいかに平均寿命(79.44,85.90)に近づけるかで、スクワット(5-103

ットが基本)などのロコトレの有効性を話されました。

続いて、少し前にはベルファームでも取り組んでいた「笑いヨガ」や「タッピングタッチ」の実技指導がありました。

二日目の全体会は三重県総合文化センターで行われ、大中ホール合わせて2800人が集いました。

NHKプロデューサー板垣淑子さんの記念講演「老人漂流社会...このまちでくらしたい」はとても胸を打つ内容だった

3000万の高齢者(2012)のうち502万人がひとり暮らし。介護施設は100万人分しかない。特別養護老人ホームは42

万人が待機状態。何のサービスも受けないで要介護三以上の人が全国に4万人(氷山の一角)。一人暮らしで認知

症になり、さらに路上生活になっていく人がいる。年金65000円の81歳男性が、福祉関係職員の苦肉の策でしょうとス

テイを場所を変えて繰り返しているお話。住み慣れた自宅で住み続けられない不幸、等々。

その番組の取り組みの中で明らかになった介護の問題点は二つあるという。一つは申請主義の問題点、どんな状

況であっても申し込みをしないとサービスをしない(できない)現実がある。二つは、「迷惑をかけたくない」という気持

ちがより強い高齢者世代の特徴。→元気なうちにおせっかいを焼く仕組みがあればよりましな状態を保てた。元気な

内にどのようないいつながりを作っていくのかが大事だということ。

制度の改革が本来必要であるにしても、今でも地域でできることはないのかの観点から、入居者の高齢化が進ん

でいる(高齢化率40%)
「独立行政法人都市再生機構」(UR都市機構)の取り組みが紹介されました。URの入居者の

孤独死で5日以上の人が700人。男性が多いという状態でした。定年退職の人を地域活動にどのように巻き込むか

?という取り組みを始め、退職後の人が30人集まりました。一工夫して、全員を○○部長にしたら、あっという間に名

刺交換し、コミュニケーションと交流が広まりだし、地域のために動き出したといいます。

「誰にも役立っていない」、「迷惑をかけたくない」と思っている人を如何に社会につなげていけるかが大事だといい

ます。金で縁を作る「墓とも」は寂しいが、つながりの需要があるということ。地域の新しいつながりをどのように各地

で作っていくのかは現代の大きな課題といえそうです。

次のNHKスペシャルは「頼れる人はどこに...」だそうです。もっと皆さんの声や知恵を届けて欲しい、とのことでした。 

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