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お知らせ

科学の祭典(三重大会です)

2015年11月14~15日


加藤 進 社会連携特任教授

111415日は恒例の「青少年のための科学の祭典」で

す。写真はあいさつする我伊賀拠点の吉岡先生です。さて

、今年で10年くらいブースを出しています。去年は「The

 LED」ということでLEDの紹介をしました。今年はこの

LED
を使って、"コヒーラ通信機作り"です。まあ、言っ

てみれば有線から無線への変換器のモデルです。例の着火

マン(ガスを抜いておきます)をカチンとするとLEDが点

くアレです。実際のコヒーラの再現は難しいので、アルミ

ホイルを使う物です。通常は写真1がよく祭典等で出展さ

れています。


              吉岡先生

写真1
↓↓

改良版
写真2

これは()プロモの山中さんから教えてもらいま

した。玉がケースに入っているので持ち運びに便

利です。

 しかし、アルミホイル玉が沢山必要(20個以上

)です。大勢を相手にするときは準備が面倒です

。そこで、これを愛知工業大学(AIT)の佐伯さん

が改良(写真2)しました。


アルミ玉の代わりにアルミ製おかず入れを使いま

す。こうすると1台当たりの手間と価格が従来の

1/10
1/100に低減されます。ギザギザのあるおか

ず入れがミソのようです。私はこれにさらに工夫

をこらし、LED100Ωの電流制限抵抗を入れまし

た。ちょっと持ち運びに難ありですが極めて簡単

に作成できます。皆さんもぜひ挑戦してください

。こんな風に形を変えてドンドン簡単にしていく

のも面白い物です。佐伯さんの努力に敬意を表し

ます。

そういえば、もう15年くらいまえに、名古屋大学で応用物理学会の50周年?記念行事で"光通信"と"コヒーラ通信機

"を作ったのがある意味この道に入ったきっかけの一つです。この現象の説明は難解ですが、おそらくはAlの性質を巧

みに先人が利用したものと思われます。そうです、Alは比較的活性な金属です。空気中では水分も手伝って


               2Al3/2O2  Al2O3

(実際はもっと複雑な反応と思われますが)。つまり、表面に酸化膜ができているためと思われます。この酸化膜は電

気抵抗が大きくふだんでは電流を流し難い訳です。
                                   久松先生  

                                                     ↓

さて、H28はどんな工作を出すかな?おやどこかで見たような?そ

うです、伊賀拠点の副所長の久松先生です。











 植物から抽出される天然色素には、水に溶けにくくアルカリに溶けやすい性質のものが多いです。このような化合物

は酸で中和すると沈殿性となり繊維に付着しやすくなります。草木染の多くは、このような性質を利用して行われてい

ます。植物に含まれる天然色素を抽出するアルカリ性物質としては、わら灰や木灰の上澄みの灰汁(あく)が利用され

てきました。植物にはカリウムやナトリウムなどのアルカリ金属が多く含まれ、灰にすると残ります。今では、灰汁を

作る作業は大変なので代用品として炭酸カリウムや炭酸ナトリウム(ソーダ灰)を使用したりします。アルカリを中和

する酸性の試薬としてはお酢や烏梅(うばい、写真左)を使います。灰でまぶした梅の実を下から熱風で燻して乾燥さ

せたのが烏梅で平安時代から伝えられる技術(写真右)です。現在伊賀から西へ車で20分ほど走った奈良県月ヶ瀬に烏

梅を作っている最後の農家さんがおられます。梅やレモンなどの果実にはクエン酸が多く含まれます。一般に烏梅の代

用品として市販のクエン酸を使用します。しかし、上野高校の学生さんには本物を体験してもらうため、月ヶ瀬の辰巳

先生にお願いしわら灰と烏梅を使用した紅花染めを指導していただきました。


烏梅


烏梅を乾燥させる窯の様子(烏梅製造パンフより)
 次回は、紅花染、藍染、キハダ染の体験を順次報告いたします。
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