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お知らせ

平成27年度第3回森林体験学習会


荒木 利芳 社会連携特任教授




 平成
27124日(月)に開催された第3回森林体験学習会ではNPO法人杜の会の副理事長・矢野智徳氏を

お迎えし、ご講演と我々が整備している山の診断をして頂きました。参加者は18名で、まず「ゆめテクノ伊賀」の

伊賀研究拠点で約1時間お話して頂きました。

 
   


講演風景

 近年人々のさまざまな活動により森や海などの自然環境が

傷ついてきています。


それ
に伴い山では松枯れやナラ枯れなど森の病気が増加してき

ており大きな問題となっ
おります。今回指導して頂く矢野氏は長

自然と向き合われて、足元の住環境から奥山自然環境など

の改善をしてこられました。
それを通して、地表と地中の水や空気

の流れ
重要性に着目され、新たな自然とのつきあ方を提案さ
れています。


 
講演ではまず、自然の環境は表層地質や土から成る大地環

境、ヒトや動植物が生活す
生物環境、水や空気が流れる気象

環境、そ
して太陽光や磁気エネルギー、引力などの宇環境によ

って構成されており、これらが連
しながら大きな生態系が作り上

げられてい
こと。これら自然にコンクリートなどを打込むと大

地の中に血管のように張り巡らさ
れている空気と水が通る地下の

水脈を遮断し
しまい、地中は嫌気状態のグライ層へと変化し

植物に悪影響を及ぼすこと。しかしな
がら、嫌気状態と化した土壌

も適切な箇所に
縦穴や溝を掘ることによりかなり改善されること

この地下の水脈の考え方は個人住宅の
といった小さな環境か

ら更に大きな山の環
に至るまで共通しているとのことなどを実

際の体験例をもとにお話されました


 
講演の後、車で30分くらいの所にある勝へ移動し、我々が整

備している山を診断し
もらいました。最初に指摘されたのが、ふ


もと
に沿って近くの川から水を引くために設置されたパイプを保護

するためのコンクリの
側溝が山の地中の水や空気の流れを遮断

して
いるため山に大きなダメージを与えているということでした。

   

集合写真

 側溝と地下水脈についての話

池の水の水路造り
    
地下水脈の説明

それで、山のためにはコンクリの側溝を除くのが一番良いが、そ

れが無理であれば側溝の
に一定間隔で30cmくらいの穴をいく

つも掘
るとかなり改善されるとのことでした。つぎ湧き水がでて

いるところに直径3メート
くらいの丸い池をつくり、水が流れ出る

一体に歩きやすいように石を敷き詰めていましたが、敷き詰

めた石が地表や地中の空気
水を淀ましており、グライ土壌にし

ている
ため、植物の生育に悪い影響を及ぼしているのことでし

た。それで、矢野氏は石をはぎ
取り、また、池をせき止めていた石

の高さも
低くして、さらに水の流れが自然に緩やかに流れるように

、土を掘って流路を造られまし
。その後急な山の斜面に伐採し

た木の丸太
造った階段や斜面の道路などの数カ所に地の風

や水の流れを助ける穴や溝を掘って、
その意味を説明されました

。また、この山は
コナラやクヌギの雑木林でしたが、2年前にか

の木を伐採し、その後に桜などを植樹し皆の憩いの場所に

する予定で整備していま
したが、矢野氏は木を切りすぎていること

と、
いくつかの理由で山の地中の水や空気の流れ淀んでいる

ために植樹しても苗木が育ちに
くいではないかと指摘されました。


 それ
で、今後はこれら指摘されたことについ少しづつでも改善

していきたいと思ってい
ます


 今回の講演や実地指導を通して、目に
見えない地下の水や空

気の通路の存在とその重要
が分かった今回の森林体験学習

会でした。

     
   

地上の水の流路の作り方
 
 
植樹の点検
   
   
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