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忍者研究報告 忍者食を深読み

  伊賀連携フィールド主催の前期6回目の忍者・忍術学講座を、伊賀研究拠点の久松社会連携特任教授が担当しました。講演題目は少しインパクトの強い「忍者食はストレス社会に活かせるのか?」としましたが、講演では意図した内容を十分にお伝え出来なかった感じがあります。忍者食の研究を始めたころは食べものとして受け止めていましたが、今はお薬のイメージで調査・研究を行っています。

ストレス対策には、ストレスを受ける前に備えとして行う予防的な対処と、ストレスを受けたあと急場をしのぐ応急的な対処の二段階があります。呼吸に集中(息長)したり、呪文や印を結んで安全を祈る予防的対処法に加えて、生薬を主体とした忍者食(兵糧丸、飢渇丸、水渇丸)を用意し、想定外の出来事で受けるストレスを回避したいときには、ストレス症状に合わせて忍者食を選択し適時適量使用したと推察すると、忍者はすごかったと言えそうです(図1参照)。

強いストレスを受けると、胃痛や下痢を催したり、口や喉が渇いたり、気力が衰えたりした経験は誰にでもあります。ストレスによって体調を悪くした状態で忍びはできません。表1に示したように、忍者食はこのような症状の改善に効果が期待できる生薬が入っているのです。忍者は戦国時代の厳しい環境下で生き延び、仕えた大将から十分な報酬を得られる貴重な情報収集に精を出したと思われます。ストレスを軽減して健康維持に努めながら仕事を効率よくこなす考えは、現代特に大企業で注目されています。忍者のストレス対策はおおいに参考になるのではないでしょうか。

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