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忍者研究報告(狼煙研究) 新しい城跡を求めて「丹生峠」へ

新しい城跡を求めて「丹生峠」へ

 文献にはない新しい城を神吉会員が数年前に発見しました。本日は予備調査ということで、私、西出会員、神吉会員、松本会長の4人で山に入りました。まず位置ですが、勢和の鍬形の旧発電所を過ぎ、伊勢道の高架をくぐり、津留方向に直進しないで牧から左に折れます(ここには牧城跡があります)。伊勢道の高架No.39を目指します。だいたいの位置は図1に表示したとおりです。

norosi1.png

No.39から峠道に入ります。途中までは比較的整備されています。少し手前から右折れすると曲輪①です。ここは広く鞍部にかすかな堀切Aを見ることができます。尾根道をたどると堀切Bに出会います。少し浅いですが原形をみごとに留めております。約300m尾根道を北に歩くと南郭②に到達します。南郭②には明瞭な虎口はありません。しかしみごとな腰曲輪が周囲を取り巻いています。簡単に一周することができました。腰曲輪の直径は30~40mです。特に、西側の腰曲輪には"武者隠し"的なくぼ地を確認できました。南郭②から100m北に歩くと北郭③です。両者ともに単郭構造です。北郭のほうがやや大きく、中央部に櫓的な土盛があります。不完全ではありますが、北郭③の加藤のスケッチを示しておきます。曲輪①も含めて3setで城郭を形成していたようです。この城の西側約1km西ノ城跡があります。丹生峠道を二つの城で監視したのかあるいは櫛田川沿いの街道を見張るために作られたのかも知れません。南東方向には近長谷寺がある城山がありここにも城跡があります。とりあえず、この新しい城を「東ノ城跡」とします。いずれ、伊藤徳也氏に測量をお願いするつもりです。

鞍部と堀切1.jpg 堀切B1.jpg 南郭②1.jpg

 鞍部と堀切               堀切B               南郭②          

腰曲輪の堀切1.jpg  北郭③1.jpg 北郭③の腰曲輪1.jpg 

  腰曲輪の堀切             北郭③            北郭③の腰曲輪            

東の城跡縄張り1.jpg

東ノ城跡縄張り

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