企画展「The NINJA-忍者ってナンジャ?!」が始まりました

2016.7. 2

久松 眞  伊賀研究拠点副所長

 7月2日(土)から日本科学未来館の企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ?!」が始まりました。主催は日本科学未来館、朝日新聞、フジテレビジョンですが、この忍者展は三重大学の忍者研究プロジェクト(忍者"Ninja"の知恵を活かした人にやさしい循環型社会の構築、H26-27)と毎月ハイトピア伊賀で開催している市民講座「忍者・忍術学講座」がベースになっています。国内外で人気が高い忍者像は、ほとんど映画・歌舞伎や漫画・アニメなどで活躍する忍者。「真実の忍者」を学術的に解き明かし、正しい忍者文化を国内外に情報発信するため「忍者ってナンジャ」と題した展示会は、1年半前から朝日新聞が中に入り我々と準備を進めてきました。開催前日(金)の午後、日本科学未来館1階の企画展示ゾーン前のシンボルゾーン(吹き抜けの天井には未来館名物の地球がみえるところ)でオープニングセレモニーが行われました。毛利衛館長と朝日新聞の市村企画事業本部長の挨拶のあと内覧会が行われました。家族づれや外国人観光客が多い未来館の展示は、理屈よりも見たり体験したりして楽しむことが優先されます。展示内容は、忍者研究室から入り修行体験、忍びの知識や忍術等の解説、さらに忍者の心構えのコーナーへと進みます。最後にニンジャ百貨店があり、忍者展の公式ブックのほか忍者グッツがたくさん販売されています。一部の三重大学ブランド商品も忍者バージョンにして販売されています。


毛利 衛館長のご挨拶の様子

セレモニー会場の大きな垂れ幕と川上先生

企画展の入り口

ニンジャ百貨店の様子

公式ブック

三重大学ブランド商品

 丁度今から5年前の三重大学発産学官連携セミナーin伊賀2011(平成23年7月22日開催)で、川上仁一伊賀流忍者博物館名誉館長が「忍者に学ぶ」と題して講演されたのが三重大学の忍者研究の出会いでした。福井県にお住いの川上先生は月に数日忍者博物館の仕事で伊賀市に来られます。博物館の仕事で伊賀にこられた川上先生に人見先生は講演依頼をされ、川上先生は快諾されました。これが縁で三重大学はこの年の12月に川上氏を三重大学社会連携特任教授としてお迎えします。その後人文学部の山田先生を中心に学術的な忍者研究が開始されました。2012年の三重大広報誌、産学官民連携マガジン Yui-結 -に川上先生と山田先生が「現代における忍術学の意義とは」と題した対談が記事になっています。前篇はwww.crc.mie-u.ac.jp/yui/pdf/10.pdf、後編は/yui/pdf/11.pdfでご覧いただけます。


人見先生(左), 川上先生(中央), 山田先生(右)

これまで理系の切口からの忍者研究はほとんどないとのこと。川上先生はこの分野でも忍者研究を進めたい熱い思いを受け、理系研究者が集まっている伊賀研究拠点は2014年から文理連携型で忍者研究をはじめました。  これから3か月の間に展示会場で講演や実験のイベントも行いますので、その時々の様子を報告してまいります。