第10回バイオマスセミナー開催される

2017.3. 3

加藤 進 社会連携特任教授
紀平 征希   研究員  

 平成29年3月3日に伊賀研究拠点にて見出しのセミナーが開催されました。好天に恵まれて33名の参加がありました。今回は10回目ということで内容も少しずつ変化してきました。基調講演(I)は信濃大町から傘木宏夫氏に小水力発電の解説をお願いしました。設置に関する書類上の規制(河川法、電気事業法)は緩和されたが、それよりもはじめに小水力発電ありきよりも、①どのような目的で小水力発電を行い、②何に電力を利用するのか?が一番重要とのことでした。この二つを真摯に検討しないで施設を作っても、数回稼働して終了という例がかなりあるとのことでした。また、本当に環境にやさしいのか?も常に問うことが必要とのことでした。


NPO地域づくり工房 代表理事  傘木宏夫氏

三重大学大学院 生物資源学研究科 粟冠真紀子博士

基調講演(II)は生物資源学部の粟冠真紀子博士に「微生物による水素ガス発酵」という演題で水素ガスをバイオテクノロジーで得る技術について解説していただきました。土壌から微生物を集めて、スクリーニングし、有望な菌を集めて集積培養する苦労談も聴かせていただきました。

報告では、小林美木氏(上野都市ガス㈱、こども大学でもおなじみです)に「定置用燃料電池システムについて」という演題で家庭用燃料電池のイ・ロ・ハを教えていただきました。燃料電池で利用される貴金属には限りがあり、Pt, Pd、Rh等の元素は偏在するので、これを使わないで触媒効果を出す研究がすすめられていることが私にとっては新鮮な部分でした。現在の調子で普及していくと近い将来価格は更に下がるとのことでした。


上野都市ガス㈱ 小林 美木氏

多分、このページを見ながら、簡単なミニ発電所を考えている方もお見と思います。しかし、注意してください。私たち素人が扱えるのはバッテリーの容量ならば5AHr程度(あるいは負荷との接続部分がワニグチクリップでも可能な場合)です。私の友人が40AHrの中古バッテリーを入手、ソーラーパネルで充電、テレビをつける所まで完成しましたが、あるときリード線が発熱し、あわや火事になるところでした。なお、H27年度から、バイオマスセミナーの他にもH29年度も現地セミナーを10月に開催予定です。このページでお知らせしますのでご参加ください。