東紀州サテライト三重大学地域拠点サテライト

東紀州教育学舎
お知らせ

銚子川自然とふれあい体験!~紀北町立相賀小学校~

9月8日(金)、紀北町立相賀小学校5年生31名を対象に、本学と紀北町が連携して取り組んでいる「銚子川自然とふれあい体験」事業の一環として、子どもが銚子川の水の透明度や河口域で起きる神秘的な自然現象「ゆらゆら帯」(海水と淡水が層になり、その境目で水がゆらめいて見える現象)を科学的に追究する教科横断型の探究学習を行いました。

授業の冒頭「銚子川はなぜ有名なのか」問うと、子どもは「水が透明できれい」「魚がいっぱいいる」「自然が豊か」と答えました。続いて絵の具で着色した食塩水を入れたプラスチックカップの上に、水を入れたカップをプラスチック板で蓋をして逆さまにして被せた後、プラスチック板をゆっくり引き抜く実験を説明し、実験結果から銚子川とのつながりについて考えるように働きかけました。

子どもが慎重にプラスチック板を引き抜くと、食塩水と水が混ざり合わず、食塩水と水の境目がもやもやする現象が起きました。「えっ」「不思議」「なんで」と声を上げる子どもたち。知的好奇心を萌芽させ、ノートに観察事実や銚子川とのつながりについての考えを記録しました。自ら問いを見出して食塩水同士で試したり、絵の具を混ぜた水と普通の水で試したりして主体的、探究的に学ぶ子どもも現れました。

学習後のふりかえりには、「色つきの食塩水と普通の水は、ゆらしてもまざらなかった。銚子川は海水と淡水で分かれているから、それと同じことだと考えた」「実験をして、ゆらゆら帯?みたいなのが見えて、それが銚子川と関係しているのかなと思いました」「下を食塩水、上を水にしたら食塩水と水は混ざらなかったけど、それを逆にしたら混ざったので食塩水は水より重いんだと思いました」など表現され、子どもが本実験を契機に銚子川の自然現象を科学的に追究する意欲を高めたことが窺えました。

本学習を端緒として、相賀小学校の子どもと先生方が各教科等と総合的な学習の時間を関連付けて教科横断的に銚子川を探究する学習を創造し、銚子川が奇跡の川と呼ばれる所以の核心にどこまでも迫っていくことをご期待申し上げます。

三重大学教育学部理科教育の、杉澤学よりのレポートでした。

なお、この事業に教育学舎から小山和彦がサポートしました。

アーカイブを表示