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北勢サテライト「西村ゼミ in 四日市」第2回を開催しました

12月11日(水)、北勢サテライト(四日市市ユマニテクプラザ)において、地域イノベーション学研究科 西村 訓弘 教授による第2回「西村ゼミ in 四日市」が開催されました。

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第1回に引き続き、四日市市に立地する食品、工作機械、保険、金融など様々な企業から総勢19名の方々が集いました。西村教授からは「生物学を利用した産業(バイオ産業)で起こっているパラダイムシフト」と題し、初回とは趣向を大きく変えた講義が行われました。

冒頭は人間の遺伝子や抗がん剤の話に始まり、その後、フランスの生化学者、細菌学者である「ルイ・パスツール」の生い立ちや産業界における功績について、「生命はどこから生まれるか」「生命は自然発生するのか」などの問いかけを交えながら講義が行われました。続いて、1976年に世界で最初に設立されたバイオ・ベンチャー企業である「ジェネンティック社」の創業のきっかけにも触れながら、バイオ産業の特徴として、「生命科学の最先端技術をすぐ実用化できる」という点を挙げ、そこが面白い点であるが、また技術の陳腐化も早いとの指摘がなされました。

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また、従来の薬物治療と現在との比較についてもお話しされ、どんな遺伝子が病気の原因であるかによって投与する抗がん剤を変える個別化医療が現在の主流となっていることについて解説がありました。さらに、個別化医療の考え方として、これまで薬の処方は「適切な薬」を「適切な量」で「適切な時期」に投与するものであったが、最近は「適切な患者」にという考え方がプラスされたというお話がありました。

最終章では、日本が抱えるバイオ産業における課題としてプロフェッショナル人材の不足を挙げ、日本でも三度起こったバイオブームでの経験を活かし、バイオ・ビジネスの経験を積んだ人材が活躍する場を提供することが重要であることなど、自身の経験を交えた新たな提言を延べ、締めくくりとなりました。

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 講義終了後は、ゼミ形式で質疑応答を含めた討論が行われました。日本の保険制度にも言及され、「これまでの絆創膏のような処置ではなく、従来の制度を根本的に変えていかなければならない。」というお話がありました。徐々に議論は白熱し、参加者の熱冷めやらぬまま第2回ゼミは終了時間を迎えました。

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この北勢サテライトでの西村ゼミは、今年度あと1回の開催を予定しています。最終回への期待に胸を膨らませながら、第2回は閉会となりました。

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