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お知らせ

第3回「地域社会の多様性を考える日本語教育研究会」を開催しました

2022年12月10日(土)14時より、教育学部の服部明子准教授が代表を務める「地域社会の多様性を考える日本語教育研究会」の第3回を、ユマニテクプラザにて開催しました。対面とオンラインとのハイブリッドで開催し、総勢22名の方にご参加いただきました。


本研究会は、地域の日本語教育に関する幅広いテーマを取り上げ、講演会およびワークショップを開催しています。北勢地域の企業や市民の皆様への専門的な知見の提供に加え、関係組織間を結ぶ連携基盤を構築し、地域社会を下支えすることを目指しています。

今回の第1部では、三重大学大学院医学系研究科形成外科学分野の成島三長教授が、「三重の外国籍住民医療の現状と未来」と題してビデオ講演され、オンラインでも配信いたしました。


全国的に見ても外国籍住民の割合の高い三重県での、外国語話者に対する医療現場の現状や今後の課題について、実際の例をもとにご紹介されました。また、正規職員としての医療通訳者の導入や受診方法説明のスペイン語・ポルトガル語での動画配信など、三重大学医学部附属病院の外国人受診者に対するコミュニケーション支援の工夫について説明されました。さらに、三重大学医学部附属病院・医学部が実施する、海外の大学・学生の研修制度のお話があり、世界の医療の発展のための交流・支援の重要性や今後の将来性について語られました。質疑応答はオンラインで行われ、県内の外国籍住民の病院受診のプロセスや文化・宗教的違いによる壁、医療ツーリズムについて等の質問に対してお答えいただきました。


第2部では、「医療場面で使おう、やさしい日本語」と題したワークショップを開催しました。十文字学園女子大学国際交流センターの稲田朋晃講師より、医療の場面・文脈で外国籍住民等に対する配慮として有効な「やさしい日本語」とは何か、どのように活用できるかについて示されました。その後、医療の現場で使われている表現を「やさしい日本語」へ言い換えるワークや、病状や処置・治療方法を説明するロールプレイ等の実践を通して、相手にわかりやすく伝えるコツや工夫についてグループごとに考えました。敬語やオノマトペを使う日本語特有の言い回しや、医療現場で用いられる専門用語の言い換えに「難しい」と悩む姿が見られましたが、どのグループも与えられた時間ぎりぎりまでディスカッションが続き、笑い声や拍手があがる楽しく活気のあるワークショップとなりました。「伝えようとする気持ちや姿勢が大切。」という声も多数あり、実践したからこそ得られる新しい気付きがある貴重な時間でした。

最後に、今回の参加者全員で、研究会の感想や新たな学びを共有しました。「医療現場での実際の事例を聞けてとても参考になった。」「ワークショップによってさまざまな意見を知って視野が広がった。」などの声があり、参加者それぞれの立場で、今後の生活や仕事に生かせるヒントを持ち帰っていただける研究会となりました。

本研究会は令和5年度も活動を継続いたします。皆様のご参加をお待ちしています。

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