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「令和5年度 四日市市民大学 21世紀ゼミナール」第3回を開催しました

令和5年12月23日(土)、四日市市にあるユマニテクプラザの研修室において、今年度3回目の「四日市市民大学 21世紀ゼミナール」(四日市市からの委託事業・北勢サテライトが企画運営)を開催しました。

令和5年度は、「齢を取っても若い体(医療における工学の進歩)」を統一テーマに計5回の講座を予定しています。様々な分野で人工知能やロボットが注目されている現代における工学の目覚ましい進歩と、それらが実際の医療分野で活用・応用されている実例について、三重大学工学部の教員が解説します。

3回目の講座は、「医工連携で取り組む脊椎疾患の治療」と題して、三重大学工学部の稲葉忠司教授が講師を務め、年末の慌ただしい時期にもかかわらず、26名が参加されました。


医療分野では、次々と新しい技術や製品が開発され、更なる医療の発展につなげようと、医学と工学の連携が注目されています。稲葉先生は、材料力学・固体力学の研究、中でもバイオメカニクス(生体力学)の研究者として、長年にわたって脊椎や心臓といった生体の機能解明に応用する研究を医工連携で行ってきました。

講座の前半では、「医工連携で取り組む脊椎疾患の治療」について、後半では、「力学で見る人体の機能~心臓機能の力学的評価~」について、医工連携で取り組んできた研究内容の紹介がありました。具体的には、損傷した脊椎を固定する手術の有効性を力学的に評価する研究、心臓機能を力学的に評価する研究、これらを通じて得られた評価データを医療関係者に提供することで、治療に活かそうという取組の紹介でした。


今回の講座を通じて、専門分野間の壁を越え、医療の専門家とものづくりの専門家がコラボすることで、医療の更なる発展につながることを改めて認識しました。一方で、専門分野間の壁を越えるための難しさを知ることができました。それぞれの専門家が持つ知見、使用する専門用語がずいぶん異なる中での円滑なコミュニケーションの難しさが一つの要因でしたが、困難を克服し医工の様々な分野に連携が広がることへの期待が高まる講座でした。

次回は、1月27日(土)に「プロセス制御技術の医療福祉産業への深化と福祉ロボット技術の機械産業への新化」(講師:三重大学工学部 矢野賢一教授)を開催予定です。

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