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お知らせ

「令和7年度 四日市市民大学 21世紀ゼミナール」第2回を開催しました

令和7年9月13日(土)、四日市市の「ユマニテクプラザ」の研修室において、令和7年度2回目の「四日市市民大学 21世紀ゼミナール」(四日市市からの委託事業・北勢サテライトが企画運営)を開催しました。

令和7年度は、「生活を科学する」を統一テーマに計5回の講座を開催します。
私たちの普段の何気ない生活は、個人の感覚や過去の経験の積み重ねで評価されることが多くありますが、そこにはたくさんの見えない科学的な根拠やデータが隠されています。言葉で言い表すことの難しい身の回りの感覚や認識を、それぞれの専門分野から科学的な視点で、三重大学の教員が解説します。

今回2回目の講座は、「おいしく食べるとは?!」と題して、三重大学教育学部の平島 円教授が講師を務め、35名が参加されました。

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講義ではまず、「なぜ食べるのか?」という問いから始まり、空腹を満たす生理(肉体)的役割だけでなく、「おいしさを追求したい」という精神(心理)的役割が人間の食行動に深く関わっていることが紹介されました。

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おいしさの「直接要因」として、味・匂い・色・食感などの食べ物の物理的・化学的特性が紹介されました。しかし、それだけでおいしさが決まるわけではなく、間接要因として人の生理状態や心理状態、さらに知識や経験といった背景が大きく影響するとのことでした。
味には基本五味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)と補助味(辛味・渋味・えぐ味)があり、それぞれに化学的な代表物質があることも学びました。
また、「うま味」の体験実験も行われ、みそ汁にだしを加えることで味がどう変化するかを飲み比べました。まず、みそを溶かした水(だしなし)を飲み、その後だし汁を飲み、最後に両者を合わせたみそ汁を味わいました。だしをみそ汁に入れることで、味に深みが増すことを実感しました。

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さらに、食べ物の色や温度、音、食感(テクスチャー)もおいしさに影響する要因であるとの説明がありました。
この講義を通じて、普段何気なく「おいしい」と感じている食べ物ですが、その感覚には実に多くの要因が絡んでいることを知り、食べることの奥深さと楽しさを再認識しました。これからは日々の食事を、もっと五感を使って楽しみたいと思います。

次回は、10月4日(土)に「味と香の生理学」(講師:三重大学教育推進・学生支援機構 玉利 健悟講師)を開催いたします。

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