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お知らせ

「令和7年度 四日市市民大学 21世紀ゼミナール」第4回を開催しました

令和7年11月8日(土)、四日市市の「ユマニテクプラザ」の研修室において、令和7年度4回目の「四日市市民大学 21世紀ゼミナール」(四日市市からの委託事業・北勢サテライトが企画運営)を開催しました。

令和7年度は、「生活を科学する」を統一テーマに計5回の講座を開催しております。
私たちの普段の何気ない生活は、個人の感覚や過去の経験の積み重ねで評価されることが多くありますが、そこにはたくさんの見えない科学的な根拠やデータが隠されています。言葉で言い表すことの難しい身の回りの感覚や認識を、それぞれの専門分野から科学的な視点で、三重大学の教員が解説します。

今回4回目の講座は、「 肌育 ~老けないお肌をつくろう!~ 」と題して、三重大学生物資源学研究科の伊藤智広准教授が講師を務め、35名が参加されました。

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講義は皮膚の基本構造から始まり、ターンオーバーの仕組みや紫外線・摩擦・薬剤などが肌に与える影響について丁寧に解説されました。特に紫外線による活性酸素の生成が、肌の弾力や潤いを奪い老化を促進するという科学的根拠を再認識しました。日焼け止めの「SPF」や「PA」の意味も改めて理解でき、今後の紫外線対策に役立ちそうです。
最も印象的だったのは、「皮膚は人体最大の臓器」という事実です。皮膚は単なる外殻ではなく、水分保持、外部刺激の防御、体温調節など生命維持に不可欠な役割を担っており、代謝が乱れると乾燥や炎症の原因になることを学びました。

また、近年急成長しているスキンケア市場の動向も紹介され、特に紫外線だけでなく近赤外線やブルーライトといった日常生活で身近な光線が肌に与えるダメージの研究が進んでいる点が興味深かったです。これらの影響を防ぐための化粧品の機能進化や新規成分の開発が活発に行われており、肌の健康維持に役立つ科学技術の発展を感じました。

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さらに、伊藤研究室での研究内容「スイカ栽培における栽培副産物の研究(未成熟果から有用成分を抽出し、化粧品素材として活用する)」が紹介され、肌の美白化粧品開発に応用される可能性も示されました。

後半では「内側からのケア」に焦点が当てられ、角質層に存在するセラミドの重要性が強調されました。こんにゃくや米糠、卵黄などの食材から摂取できることを知り、日々の食生活が肌に直結していることを実感しました。「肌は内臓の鏡」という言葉が印象的で、外側からのケアだけでなく、内側からの栄養や腸内環境の改善も美肌には欠かせないと再認識しました。

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講義を通じて、肌の健康を保つためには科学的知識に基づいたケアが必要であり、紫外線対策や適切なスキンケア製品の使用、バランスの良い食生活が重要であることを再確認できる内容でした。日頃の肌ケアを見直す良い契機となり、自分の生活習慣に積極的に取り入れていきたいと感じました。

次回は、11月22日(土)に「サンタクロースを信じることの意味 --子ども時代の神々はなぜ必要なのか-- 」(講師:教育学部 富田 昌平教授)を開催いたします。

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