八戸市での中間報告会

2014.2.19
荒木 利芳 社会連携特任教授


 我々は現在「廃棄海苔スフェロプラスとや米糠を飼料素材とした二枚

貝やナマコなどの共棲畜養システムの開発」というテーマでJSTの復興

促進プログラム(産学共創)に参加していますが、先日、本プロジェクト

の中間報告会がありましたので、青森県八戸市へ行ってきました。
 
 八戸は例年それほど雪は多くないそうですが、今年は5年ぶりの大雪

だそうで、数日前に60cm積もった雪が雪かきされ、低温で溶けないた

め道路の両側にそのまま積んでありました。なお、時間の合間を見て

蕪島(かぶしま)神社へ行ってきました。昔は島だったそうですが、現在

は陸続きになっています。3年前の東北大震災の時は5.3mの津波が押

し寄せたそうですが、神社はそれより高いところにありますので、大き

な被害は免れたそうです。この神社を中心とした一帯はウミネコの繁

殖地として有名で、3〜7月まで繁殖子育てをした後、北海道へ移動し、

11〜12月に関東地方へ南下、1〜2月に四国・九州に移動した後、再

び蕪島へ戻ってくるそうです。祭神は市杵嶋姫命で天照大神が須佐之

男神と誓約を行なった時に生まれた三神の神の一神で美しい女神様

です。御神徳は財運・厄除け・知恵・音楽・諸芸・交通航海・産業振興・

五穀豊穣・富貴の守護神として、また御神象の頭上には、鳥居と男神

を頂く事から夫婦円満・縁結び・子授け・安産の神様として信仰を集め

ているそうです。
 
 
 
    眼前に広がる海には残念ながらウミネコはまだ飛来していませんで

したが、繁殖期に訪れると沢山のウミネコを見ることができるそうです。

しかしながら、その時は糞除けに傘をさす必要があるそうです。
    また、蕪島神社から歩いて10分くらいの所に八戸市水産科学館マリ

エントがあります。敷地内には三重県出身で八戸において漁網の改良

により近代漁業の基礎を築いた長谷川藤次郎(1855-1933)の像と碑

文が建てられていました。館内の水槽にはサケの稚魚や様々な地元

の魚、熱帯魚などが泳いでおり、またウミネコシアターやイカパラダイス、

地球の歴史など子供の教育に重点をおいた構成で、300円の観覧料に

しては十分に楽しむことができました。
 報告会の方は八戸市水産会館で、約80名の水産加工業者や養殖業者の方たちを前にして【水産加工サプライチェーン

復興に向けた革新的基盤技術の創出】に関する10課題について報告が行われました。我々は独自に開発した海洋細菌

の3種類の酵素を用いて、例年大量に廃棄されている低品質海苔を処理し、消化吸収を高めたスフェロプラストと精米の

ときにでる米糠を用いた配合飼料の開発について報告しました。近年アサリやホタテ貝などの二枚貝の資源量が減少し

てきており、陸上養殖における配合飼料への期待が高まってきていますが、二枚貝の配合飼料に関する研究は立ち遅れ

ているのが現状です。我々は廃棄海苔や低価格で入手できる米糠に注目し、開発を行っていますが、本飼料は二枚貝

だけではなく種々の魚の養殖用飼料としても効果があることがわかりましたので、今後は魚類配合飼料のサプリメントや

代替タンパク質としての利用も考えているところです。