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お知らせ
「令和6年度 四日市市民大学 21世紀ゼミナール」第2回を開催しました
令和6年10月19日(土)、四日市市にあるユマニテクプラザの研修室において、令和6年度2回目の「四日市市民大学 21世紀ゼミナール」(四日市市からの委託事業・北勢サテライトが企画運営)を開催しました。
令和6年度は、「新時代を生きる ~科学の進歩と私たちの生活~」を統一テーマに計5回の講座を予定しています。科学技術の進歩は様々な分野で目覚ましく、たくさんの変化・進化が交錯する昨今、その変化に適応することが求められています。その一方で、自然環境や健康は現状を守りたく、安定・安心を望む私たちです。現代の私たちに求められる「変化」と「維持」について、三重大学の教員が解説します。
2回目の講座は、「お金と信用の文化人類学」と題して、三重大学人文学部の深田淳太郎教授が講師を務め、40名が参加されました。
今回の講座は、現代の日本に暮らしている私たちが日常的に使っている紙や金属の貨幣と、南太平洋のヤップ島で伝統的に使われてきた石のお金、そして近年ニュースなどでよく取り上げられるようになってきたビットコインなどの暗号資産という三つの種類のお金を比較し、何が違って、何が同じなのか? また、それらを比べる中で、「お金」と「信用」について考え直していきましょうという内容でした。
私たちは、お金に対するイメージとして、つい頭の中で「お金は交換を便利にするためのもの。より便利な暗号資産(仮想通貨)= お金の進化形」という図式を想像してしまいます。が、ヤップ島では、日常的には米ドルが使われていますが、村の中での食料やサービスの交換は信用取引で行なわれており、その相互の貸借を管理するシステムが石貨である、との説明がありました。石貨の機能は、キャッシュレス決済で、お金のやり取りの記録を電子的に記録する仕組みと似ているそうです。つまり、ヤップ島では、米ドルが使われるようになっても、石貨が淘汰されることはなく、進んだ/遅れたではなく、二つの貨幣システムが補完関係になって併存していることを理解することができました。
これからも、新しい時代に合った新しいお金・信用の形が生み出されるかもしれません。キャッシュレス決済やお金の問題は、金融政策、金融教育にも関わるため、私たちが、より住み易い社会を考えていく上での知見が得られた講座でした。
次回は、11月23日(土)に「こつこつ骨を守りましょう! 今日からできる骨粗鬆症予防のための重要ポイント」(講師:三重大学医学系研究科 福録恵子教授)を開催予定です。
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