伊勢志摩サテライト三重大学地域拠点サテライト

お知らせ

第11回 伊勢志摩サテライト交流会を開催しました

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1月10日、志摩市役所4階401-402会議室にて、「第11回 伊勢志摩サテライト交流会」を開催しました。

伊勢志摩サテライト交流会は、三重大学と伊勢志摩サテライト関係自治体(伊勢市、鳥羽市、志摩市、玉城町、度会町、南伊勢町)との間で、特定のテーマをもとに意見交換を行うことを通じて課題解決や官学連携の糸口を見出し、伊勢志摩地域の創生に寄与することを目的とした取り組みです。

今回は志摩市を開催地として、「ひとに優しいまちづくり-高齢者福祉と安心安全-」をテーマとして開催。市町から21名、三重大学から教職員7名の計28名が参加し、高齢化の進む伊勢志摩地域での福祉と地域づくりについて考えました。

この日のゲストスピーカーには医学系研究科から冨本秀和教授を迎え、「認知症のひとに優しい地域の創⽣ 〜認知症施策推進⼤綱を踏まえて〜」と題したスピーチが行われました。冨本教授からは、高齢社会のまちづくりから切り離すことのできない「認知症との共生」について、「認知症とは何か」を始め、「認知症を取り巻く最近の問題」、「認知症と運転免許」、「玉城町でのレセプトデータと地域包括ケアへの紐づけの取組」、「災害と認知症」等、多岐にわたる話がありました。また、話の最後には「認知症の方は、マズローの欲求段階説にある自己実現や自我などの高次の欲求は失われても、親和の欲求や安全の欲求などは残っている。無反応で聞いていないように見えるかもしれないが、ちゃんと理解している。話題によってはBPSD(認知症の周辺症状)に繋がってしまうので、そういうことを理解したうえで接してあげてほしい」との言葉がありました。

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冨本教授によるゲストスピーチの様子

次いで、松田裕子サテライト長から、伊勢志摩地域の高齢化の現状と将来についての話があり、「2040年には3つの市町で高齢化率が50%を超える」、「『住民=高齢者』の視点で福祉課に限定しない対応が必要」、「地域包括ケアシステムを実現するためには地域内のネットワークが重要」等の話がありました。

最後に質疑応答・意見交換を行い、参加者からは「価値観が多様化しており、公共サービスだけでない様々な支え合いが重要になると思う。行政の支援も限界があるため、地域の皆さんや企業と一緒にやっていくことを考えて行かなければならない」、「認知症に関するサポーター、ボランティアも今後増やしていきたいが、候補者もほとんどが高齢者という問題がある」等の意見がありました。冨本教授からは「どこもサポーターやボランティアの高齢化に悩んでいる。企業を巻き込むことが出来れば若い人たちに認知症を考えてもらうことができる」、「認知症カフェが盛況なクリニックがあり、そこでは医師からの話が聞けたり、すぐ医療機関にかかれるメリットがあるため利用者が多い。カフェに限らず、継続的な発展のために、そこに係わる人のメリットを含めた仕組みを考えてほしい」との言葉があり、この日の交流会を締め括りました。

伊勢志摩サテライトでは、今後も市町と一緒に皆で地域の未来について考えていきたいと思います。

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松田サテライト長によるプレゼン(左)と発言する参加者の様子(右)

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