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総合教育センターで観察・実験研究協議を実施



加藤 進 社会連携特任教授


 6月25日は見出しの研修会です。テーマは「電池のサイエンス〜ボルタ電池から鉛蓄電池まで〜」です。研修に最適の

人数(10人)が集まり、7割は中学の先生です。例によって電池の歴史、世界史との関連性から入っていきました。

全体の流れは、
       1.電池の歴史:ズルツアー、ガルバーニ、ボルタ、ダニエルら

       2.ボルタ電池を作ってみよう
 
       3.果物・野菜で面白電池を作ろう

       4.備長炭電池を作ろう

       5.現代電池の礎:ダニエル電池の科学

       6.鉛蓄電池とは


になります。もちろん、主役は開発した教材「ナデテ君(何でも電池

テスター)」です。今回は備長炭電池について書いてみましょう。写

真は私が以前にSEMで取った備長炭の表面です。木炭に比べる

と多孔性であることが分かります。ここ吸着された酸素を利用する

もので、備長炭は集電子として働くものと思われます。(ひょっとす

ると、備長炭内部の金属が触媒的な働きを示す可能性もあります

が)。実に、備長炭(4cmφ×20cm)の抵抗は2Ω以下です。ソー

ラーモーターをつないで10〜15min回転させると

              AlAl3+3e

によってアルミホイルには穴が開きます。写真2はそれを明るい

方にかざして確認しているところです。


写真2

ところで、高校(高校では電池は、酸化−還元の単元で学

習します)への足掛かりという事で、ダニエル電池と鉛蓄

電池(ゆわゆるバッテリー)の簡単な実験もしました。ダ

ニエル電池については、論文で公開したスモールスケール

実験を紹介いたしました。また、実験室でも簡単に鉛蓄電

池は作成できます(性
能は低いが)。

鉛蓄電池を作り方ですが、3M-H2SO4を電解質に使ってビーカーに入れ、さらに、鉛板2枚を入れます。この時、鉛板に極

性をマーキングするのがコツです。馴染みの「手回し発電機」で1〜2min充電します。科学的にはPbを陽極酸化するわけ

です。Pb板の色が変わることがわかります。手回し発電機を取り外し、出来上がった鉛蓄電池にLED、豆電球とモーター

等をつないで稼働を確認します。あわせて、放電によって電極の色がまたもとに戻って行くことも観察しました。
 
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