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お知らせ

梅村学園で理科実験指導です



加藤 進 社会連携特任教授



7月18日(土)は、理科クラブの指導で、去年に続いて3回目です。少しテーマに工夫をこらし、
          
           #1 エクセルを使ったデータマイニング (900−1030)
           
           #2 酸性とアルカリ性 (1040−1200)

ということにしました。もちろん、担当の小西・川田教諭と相談し、上級生にエクセルで散布図を描く操作ができるまでスキルアップして

あります。#1の導入部分は図式化によるデータからの"情報落ち"です。      
 時代背景を考えると20〜25年くらい前から"探索的デ

ータ解析法"という言葉が飛びかうようになり、パソコン

の普及ともかさなりBox-plotが徐々に普及し始めたこ

ろです。たとえば表1はある海域で取れたマグロの体

重です(小椋将弘、Excelで簡単統計より引用)。初学

者がよくやる手法が平均値です。たしかに平均値は有

用な代表値ですが外れ値に対しては弱い欠点があり

ます。同時に暗黙の内に母集団が"正規分布"してい

ることを仮定しています。
 

表1
  表1のデータを平均値やSDでまとめると原データから海域の差異

の情報が落ちてしまい、代表値からのデータの復元が弱いことに

気付きます。これを回避するために全データをプロットする方法が

あります。この方法を適用すると情報が落ちなくなりますが、現象

の解釈がやや難しくなります。
  そこで登場するのがBox-plotです。これはTurkeyらによって考えられた手法とされています。Web-siteをみるとfreeーsoftでいろいろ出

ています。私のおすすめは"R"(http://www.r-project.org)です。日本なら筑波大学のmirror siteがわかりやすいと思います。
また、たくさんの解説書(お勧めは金明哲:Rによるデータサイエン

ス(森北出版)です。これを使って先のデータのplotを示します。こ

の図からは最大値、最小値、メディアン、データの分布の幅等が一

目同然です。○印は異常値をしめしています。
 
 残りの時間は酸性とアルカリ性で卵トレイを利用して


    1)MO
    
    2)BTB
    
    3)PH
    
    4)万能指示薬

での色の変化を観察してみました。もちろん中〜高校なのでイオン

にも踏み込み電気泳動まで話を進めてみました。写真はこの目的

に私が開発した倍電圧整流を使った簡易電源(現在投稿中)を使

ったMnOの電気泳動結果です。
 
 
数分でマイナスの電荷をもつMnOが正極の方に泳動していくことを確認する事ができます。この実験は高校の範囲です。 教科書に

はさらっとかいてありますが、なかなか難しい実験の一つです。土曜ですが、時間の経っていくのを忘れてしまうほど私にとっては楽しい

ひと時でした。3回行くと、顔見知りの生徒ができてきます。来年は何をするかな?
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