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上野高校理数科1年生夏の科学実習、今年のテーマは色<その1>

 8月3日(月)と4日(火)、午前9時から午後4時までゆめテクノ伊賀3階のテクノホールにて、三重県立上野高等学校理数科1年

生は生活を豊かにしている色をテーマに科学実験を行いました。
 
 1日目は、三重大学伊賀研究拠点の紀平研究員が担当です(写真1)。午前中は「pHは色が教えてくれると」と題し、pH1,pH4,p

H7,pH9,pH12に対し、4種類の指示薬[BTB(ブルロモチモールブルー),MO(エチルオレンジ),PP(フェノールフタレイン),万能指

示薬]と万能試験紙がどのような色を呈色するか実験しました(写真2)。これらの発色特性を理解したあと、身近な25種類の液体

(酢、炭液、コーラ、レモン汁、石鹸水、各種洗剤、めんのゆで汁、重曹水など)のpHを測定しました(写真3)。午後からは、人気の

高いカラフルなタブレットタイプチョコレートの色素を水抽出し(写真4)、酸性下で加熱して白い毛糸を染めました(写真5、写真6)。

毛糸に染まった色素は加熱したアンモニア水で溶出し濃縮し(写真7)回収後、濃縮色素を楊枝で薄層プレートにスポット(写真8)、

薄層クロマトグラフィーで食品添加物の色素を分離分解しました(写真9)

1)実験風景(中、紀平研究員)
      
2)pH1,4,7,9,12の指示薬の色   3)生活用品の指示薬の色
          

4)食品色素を水抽出
  
5)抽出液を白い毛糸が入ったビーカーに写し、加熱染色

6)食品色素で染まった毛糸
 
7)毛糸を染めた色素を熱アンモニア水で抽出し濃縮
 
8)濃縮液を薄層クロマト用プレートにスポット
 
9)展開溶媒が入ったビーカー中で展開
 

 2日目は、前日学習した色素の知識を生かし、地域伝統文化の紅花染めを体験しました。まず、紅花ネットの峠晴美先生から、

伊賀の風景を読んだ芭蕉の歌に紅花がでてくることから、昔は伊賀地域で紅花栽培が盛んであったことや、伊賀で紅花栽培の再

現を願って紅花普及活動をしていることを熱く説明されました。その後、烏梅を使った最後の紅花染め伝道師、月ヶ瀬の辰巳洋子

先生にバトンタッチし、平安時代から伝えられる本物の紅花染めの指導を受けました。以下に写真を追って紅染め体験の様子を

お伝えします。

10)峠先生(左)と辰巳先生(右)

11) 屋外で紅花染めの体験開始

12)前日から水で浸漬した紅花
 
13)黄色素を水抽出(左)しては捨てる(右)作業を繰返し

14)アルカリ性のワラ灰で紅色素を抽出

15)烏梅液を入れ弱酸性にすると紅色がさらに強くなったところに
木綿とシルクのハンカチを入れる               
 
16)きれいなピンク色に染まった布を水洗(左)    
   テントの下で日光が直接当たらないように陰干し(右)

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