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三重県理科・エネルギー教育研究会に参加

加藤 進   社会連携特任教授

 

 5月14日(土)は津の中電ビルで「三重県理科・エネルギー教育研究会(座長:平賀伸夫教授)」に参加しました。今回は、座長からの要請で、"太陽電池とNi-MH(ニッケル水素電池)を使った非常LED灯"という題目で講演を行いました。自然エネルギーを有効利用することは自分の研究テーマでもあります。特に三重県は東南海地震等の大規模災害が近い将来起こるといわれています。闇から恐怖を取り除く意味でも"灯り"の開発は重要です。今回の発表のテーマは今年のエネルギー環境教育学会(札幌)での発表テーマもあります。最近の太陽電池の低価格化と高性能化は目を見張るものがあります。

 


写真1

 

写真1をみてください。アルミのフレームのあるタイプ(I)は12V-5Wで、(II)は実験用のセルで1W-0.5Aです。価格は(I)が1500円、(II)は700円です。(I)を使うと5Ahのバッテリーを簡単に充電できます。今回は(II)を使った非常ライトの紹介です。

 

写真2を見てください。これは量販店で108円で売って入るガーデンライトです。このライトは安価ですが、①暗い、②防水は無しの欠点があります。そこでもっと明るいように改造しました。基本的な構造はガーデンライトと同じで、能力を向上させるために、明るい角型LED、容量の大きなNi-MH電池と太陽電池を使用しました。完成品の写真をごらんください。春~夏(晴天)ですと、800~1700の充電で、2日間夜間の点灯が可能です。さて、私の提案する「明るいLED非常灯」ですが、ICを使っていますのでセンサーはありません。つまり、太陽電池はNi-MH電池への充電とセンサーを兼ねています。


写真2

起電力(EMF)が一定値未満ではLEDが点灯し、EMFが増加すると充電するようになっています。このICがわずか30円とは驚きです。角型LEDにはICを通じて13.5mAの電流が流れていますので、10時間点灯すると135mAhの電気量を消費します。Ni-MHの容量は1300mAhなので、3日くらいは楽に放電できます。Ni-MHは今はやりのリチウム電池に比べると、安価で使いやすい利点があります。H27.9月に1号機を作り、動作試験(n=6)をしていますが、9か月たった今も問題なく稼働しています。したがって、非常用のLEDライトとしては十分利用可能と思われます。また、材料費は800円ですから講習会等で自作も可能です。読者の中ではNi-MH電池の"過充電"を心配されるかも知れません。重要な指摘です。私は、窓際に本機をおいて充電しています(これによってトリクル充電に近い状態になる)。そして、2-3週間に1回は戸外で充電しています。現在は日中は太陽電池で、夜間はNi-MH電池で動作する簡単なラジオを試作して、実証試験中です。いずれこの欄で紹介したいと思います。

 

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