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揥水小学校に出前です

加藤 進   社会連携特任教授   
川村信也   三重大学教育学部4年生

 

揥水小学校(高木校長、松阪)で出前です。もう揥水小学校に出前を初めて10年になります。したがいまして高木校長は3代目の校長にあたります。さて、この時期のテーマは4年生で「電池」です。今回は、教育学部の川村君に手伝ってもらいました。彼は中学の理科教員志望です。

さて今回もボルタの電堆に触れてみましょう。下の図は宇田川榕庵が「舎密開宗」に描いているボルタの電堆のスケッチです(東徹:エレキテルの魅力(2007、裳華房)より引用)。インターネットもない時代でわずか40年のズレで日本に紹介されています。先人の努力のたまものです。

 

 

ボルタの電堆はvoltaic pileと呼ばれる(銅板+布+亜鉛板)からできています。恐らくは、この単位を40~60個程度積み上げたものと思われます。下側は相当の重みがあります。そのために、布にしみ込んだ電解質が重さでにじみ出てショートが起こる可能性があります。こんなことから今ビーカー形で行っている実験に移ったのではないでしょうか?また、今のように電極間をつなぐにはリード線は無かった時代ですから、銀を用いてこれを叩いて伸ばしたものと思われます。

 

理論的には起電力は1.1Vなので50個積み上げると55Vの電圧を得ることができます。したがって、ガラス管に水道水を入れて電気分解が可能です。もちろんソーラーmotorは簡単に回すことができます。しかし、1~2分以内に分極によって電圧は低下、同時に電流も低下し、失活します。これがボルタ電池の限界と言うことになります。

この欠点(=水素ガスの発生を抑制)を改良したのがJ.F.Daniellで有名なダニエル電池(1836年頃)です。私は、グ リーンケミストリーの立場からダニエル電池をマイクロスケール化し、小さな環境負荷でダニエル電池を特性を具備したサンドイッチ型のダニエル電池の教材化に成功しました。皆さんもぜひ挑戦してみてください。

 

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