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上野高校理数科1年生夏の科学実習今年のテーマはストレスと唾液アミラーゼ

2016年8月1-2日
紀平 征希  研究員      
久松 眞   伊賀研究拠点副所長

 

 8月1日と2日,午前9時から午後4時まで「ゆめテクノ伊賀」3Fテクノホールにて,上野高校理数科1年生を対象に,ストレスと唾液アミラーゼをテーマに実習を行いました。2日間の実習の流れは表のとおりです。

 

実習内容

1日目
AM ・忍者学,ストレス,酵素,糖に関する講義
・ヨウ素デンプン反応を利用した実験
PM ・唾液アミラーゼによるデンプンの分解および還
 元糖の生成(ヨウ素デンプン反応,DNS法)
・まとめ作業

2日目
AM ・ストレスと唾液アミラーゼ活性の関連検証
PM ・まとめ作業

 

 1日目の午前の講義では久松特任教授より,ここ数年三重大学伊賀研究拠点で取り組んできた「忍者の知恵」を現代に活かす研究について簡単な説明がありました。忍者食の代表格である砂糖と生薬からなる兵糧丸は、忍び活動で影響を受ける体調やメンタル、特にストレス対策の携帯食であったとのこと。今回は、現在のストレス社会で強く生きるために、忍者になったつもりでストレスの基礎知識を学ぶ実験をしました。ストレスマーカーにはストレスホルモンのほかに唾液のアミラーゼ(消化酵素)も含まれています。精度は欠きますが簡単にできる実験ですので、今回の実習ではいろいろな精神状態における唾液アミラーゼの活性を測定しました。そこで,まず,自分の唾液を採取しデンプンが分解されることをヨウ素デンプン反応で確認しました。唾液を採取するのにはじめは嫌がったり躊躇したりする生徒もいました。ピペットの使い方も慣れない様子がうかがえました。

 1日目の午後は唾液アミラーゼによるデンプンの分解と還元糖(マルトースなど)の生成について,簡易比色計を用いて数値化していく実験を行いました。午後になると,ピペットの使い方も慣れてきました。

 2日目のテーマはストレスと唾液アミラーゼ活性の関係についてです。具体的には,①平常時の唾液,②ストレスをかけた後の唾液,③ストレスを緩和する行動をした後にストレスをかけての唾液の3回採取しました。この3回の唾液アミラーゼ活性(=デンプンの分解や還元糖の生成)に違いがあるかどうか検証してみました。また,③のストレスを和らげる行動として,1) 音楽を聴く,2) 体操をする,3) 笑いの動画を見る,4) アロマの4グループを設けました。ストレスをかける方法としては,長い時間,単純な計算問題を解答していくクレぺリン検査で行いました。分析操作は,1日目に行ったものとほぼ同じなので,唾液の採取や分注,試薬の添加,簡易比色計の使用などとても慣れた手つきで,スムーズにすすみました。

 午後は,これまでの実験の結果についてのまとめ作業です。3日後の発表に向けて課題が提示され,それについて班でディスカッションしていました。

 


テクノホールにて実験実習の様子

自分の唾液を採取している様子

DNS法による還元糖の反応と簡易型比色計

クレペリン検査でストレスをかけているところ

ストレスを和らげる体操

ストレスを和らげる笑いの動画鑑賞

ストレスを和らげる森林浴を模したアロマ

ストレスを和らげる音楽鑑賞

伊賀上野ケーブルテレビの取材でストレスが?

上野高校会議室での発表会風景

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