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お知らせ
忍者の科学体験"水出し"のワークショップ
新年度がスタートしました。今年もよろしくお願いします。
去る3/26と4/24に水出しのワークショップを忍者屋敷(伊賀市)とこどもの城(松阪)で行いました。伊賀ではあぶり出しも同時に行いました。いずれのワークショップも大好評でした。
水出しは甲賀流武術秘伝の中に「白文の法」として記載があります。また炙り出しは軍法侍用集に「密柑柚」で描くの記載があります。いづれも江戸時代の記述ですがそれ以前に口伝等で伝えられたものと思われます。今回は水出しを解説します。
上記の忍法書によれば材料(=インク)は大豆のしぼり汁や酒があります。私が実験した限りでは酒では再現性が無く昔と今の酒の製法の差と解釈しております。今回は大豆のインクで実験しました;
①15~20gの乾燥大豆を100ml水に一晩浸ける
②浸漬した水を分離し、ミキサーに入れる
③膨潤した大豆を10粒づつミキサーに入れて粉砕
④お茶パック(100金)でオカラ分を採る
これで出来上がりです。ただし有効なのは1日程度です。100mlつくると60人程度のワークショップが可能です。作るのが面倒なら、豆乳や牛乳でもある程度できます。
インクの他に重要なのが紙です。洋紙(コピー用紙等)は不可、半紙あるいは和紙(手すきの深野和紙)がおすすめです。あぶり出しの要領で和紙に、文字や絵を描き、30~40分乾燥させます(自然乾燥がいいです)。それを水に浸けたらOKです。
この原理はいろいろと考えられますが、一つの考え方として毛細管現象、和紙の表面状態、コロイド溶液、ホフマイスター列等が複雑に交錯していると思っています。写真1は和紙の電子顕微鏡写真で工作する繊維の間に黒い空間が散在します。この空間に大豆粒子が入りこむあるいは蓋をするので極めて短い時間(数秒)水の浸透を阻害し、水出しができると考えています。なお、温泉水をヒントにして水出し用の加藤インクも合成に成功!次回をお楽しみに!なお、NHKの海外放送 NINJA TRUTHのepisode15で9分過ぎ辺りから私が説明しているので、興味のある方はご覧ください。
NHKの海外放送 NINJA TRUTHのepisode15はコチラから
3月26日 忍者屋敷 作品 4月24日 三重こどもの城
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