理科関連研修会 テスラコイルを知っていますか?

2017.11.20

 伊賀研究拠点で多くの出前授業用の教材を手掛けてきました。中には、学問的にしか利用できない教材もありますが、将来の東南海地震に備えて、十分利用できる教材もあります。これから数回にわたって興味深い教材を紹介したいと思います。

 皆さんはテスラコイルを知ってしますか?テスラ氏は知っている人もみえると思います。かのエジソンと送電に関して、直流・交流を議論した人物です。私の思うに「エジソンは彼の理論を理解できなかった」のではないか?もっとも、私たちの使用する現在の機器の電源には直流が多いことを考え、近未来に発電所が分散化し、あるいは60Hzと50Hzの周波数変換に寄るロス等を考慮すると、直流も見直されるべきと思いますが。

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写真1

 なかなかこのコイルを製作するのは難しいといわれています。特に設計が難しく試行錯誤がかなりの部分を占めるようです。ところが、電子部品の発達は恐ろしい。IC2個(三端子レギュレータ+トランジスター)でびっくりするような装置ができます。御大の舘氏(名古屋大学)にキットを教えてもらいました。Aitendoで通販を利用して入手できます。この装置(写真1)は、電源安定化(どうも三端子レギュレータ)→スイッチング部分(おそらくは?)→1次コイル→2次コイルからできています。確か、大学の教養の物理で直列共振回路を習いましたがまさにそれを利用しています。あの回路は、過渡現象の解析で、減衰振動を取り扱います。ここでは、1次コイルで減衰振動を作り、2次コイルの狭い部分に共振を励起します。重要な点は、

   ①電源が連続的に1次コイルに供給されている、

   ②極めて周波数の高い電流を1次コイルに注入し、

   ③1次コイル:2次コイル=3回巻き:1000回巻き以上

という特徴があります。したがって、完成品のコイルに小型の蛍光灯を近づけると発光します(写真2)けっこう明るいです)。2次コイルの尖端は放電用に開放されており10mm程度の青白い放電場を観察できます(写真3)。恐らくは10KV近い電圧が発生しているかもしれません。

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写真2

 この回路を応用したと思われるのが、みなさんの好きなスナックで良く見るプラズマボールです。このテスラコイルは、ワイヤレス送電ということで最近注目を浴びてきています。テスラ氏はあまり表舞台にでるのが好きではなかったのか、わずかに彼の業績は磁界の単位としての"テスラ"に名を留めています。今の世界をみたら彼がどう感じるのか極めて興味があります。

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写真3