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第5回弥起井地区獣害対策ワークショップを開催しました

<山本 好男 教授>


 1月28日(土)午前9時から、大台町弥起井地区で第5回ワークショップを開催しました。今回は「獣害対策先進地視察・滝広地区の取り組み」をテーマに視察に行きました。

 弥起井集会所に集合し、車に分乗して大台町滝広地区の集会所に伺いました。
 大台町役場中井主事の司会で
、中部電力植田課長、弥起井田中区長さんの挨拶をいただき、続いて「滝広地区の獣害対策」と題して、大台町滝広の川竹 守様に滝広地区における取り組みについて説明していただきました。

1.滝広の取り組みについての概要(川竹さんの話から)
 滝広地区は、大台町の中間部に位置し、戸数29戸、人口80人(65歳以上37人、高齢化率46%)の集落で農地は約4.5haである。大内山川に併走するJR線、高速道路に挟まれたような山間の地形である。
 獣害に対する取組みは、シカ、イノシシ、サルによる農業被害が深刻化、特にシカ、サルによる被害が日常的であった平成18年に行われた獣害対策研修会をきっかけに開始された。平成18年7月にボランティアグループ「和み会」を発足させ、強制的ではなく「だれでも、いつでも、できること」を合言葉にサルの追い払い、地域の環境整備、地域活性化のイベントなどに取り組んできた。平成19年には獣害対策を中心に取り組むグループ「けもの会」を発足させ、情報交換、追い払いやフェンスの設置・管理を担当してきた。現在はこの回を発展的に解消し、和み会で集落内の猟師さんを中心に積極的な捕獲、捕獲技術の検証やフェンスの維持管理を行っている。
 集落全体をフェンスで囲い込み、その内外に檻を設置して徹底した捕獲を行っている地区である。

2.地区内の視察
 川竹さんの案内で、竹や間伐材を使用して作った捕獲用檻、休耕地に仕掛けたくくりわな、大型檻などを見学しました。徹底した柵の設置(集落全体の囲い込み)、柵で仕切り、地区内に入れられた獣は柵の内側で捕獲することにより、被害の低減化が図られていました。

 今回のワークショップでは、先進地の取り組みに関する話に熱心に聞き入る姿が見られ、イノシシやシカによる被害が出始めた弥起井地区での今後の取り組みに大変参考になったように思います。

 次回の第6回ワークショップでは、これまでの振り返りとまとめ、年間カレンダー、活動計画づくりなどを内容にしたワークショップを開催します。

 大変寒い中、参加いただきました弥起井地区住民はじめスタッフの皆さんお疲れ様でした。
区長さんのあいさつ 取り組みについて説明する川竹さん
竹と間伐材で作成した捕獲檻。
制作・くみたて設置は一日がかりであったという。
遊休農地にくくりわなを仕掛けた様子。
大型の捕獲檻が設置されました。 山への道路は獣の通路とならないよう
閉じてありました(通行時開く)。

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