伊賀サテライト三重大学地域拠点サテライト
伊賀連携オフィス・伊賀研究拠点
お知らせ
阿坂城を訪れました(中世城館を訪ねてその③)
加藤 進 社会連携特任教授
10月30日(土)には白米城の伝説で有名な阿坂城跡を訪問しました。阿坂城の概要は以下の通りです(三重県教育委員会編: 三重の中性城館(1976)。 阿坂城跡は2つの城郭から成り立っています。それは北郭の椎之木城跡と南郭の白米城であります。この二つはおおむね100 m程度離れています。 ![]() 登山道は地元の保存会の努力で良く整理されており、40min程度で山頂に到着します。今回は浄眼寺からのオーソドックスな登 坂コースから攻めました。写真1がのぼり口です。写真2は40分後に突如出現する椎之木城(北郭)の斜面です。少し登ると2m程 度の虎口があります。右と左に削平原があります。左翼側(幅7m×奥行9m)からは 松阪市内を展望することができます。それ が写真3です。右翼の坂を少し登ると細長い台地があります。 |
|
![]() 写真1 |
![]() 写真2 |
![]() 写真3 なかなかの眺望です。さて、右翼に続く小道を登っていきます。そうすると奥に妙なものがあります。雑草に覆われ、埋もれており ますが窪地です。 |
|
![]() |
石垣等は全くありません。ここから狼煙をあげるとよく見える |
![]() 白米白の石碑 ![]() 昔、遠足で登った記憶がありますが、全く気づきませんでした。この先までは 20m程度か?出っ張りの先には平地がありました。 一志町史によれば霧山城→髭山→堀坂山→白米城の狼煙ルートがうかがわれます。さっそくカシミール3Dでこれをシミュレートし てみましょう。髭山と白米城を指定します。得られた結果は「見える」との事です。断面図と結果を示しておきます。ただ距離が 10Kmちかくあります。ひょっとすると難しいかもしれません。堀坂山や黒米山を中継点に選ぶとこれは回避できます。 ![]() さらに白米城で狼煙をあげた場合の可視化域をカシミール3Dで計算してみましたピンクの色に塗った部分が可視化域です。 |
|
![]() カシミール3Dによる髭山~阿坂城の断面図 |
|
![]() 伊勢平野側ではほとんどの地点で見ることができそうです。堀坂山の近くにわずかながらピンク色の地点もあります。髭山~白米 城、黒米山~白米城ならびに堀坂山~白米城の3種類のルートが有力になってきます。もちろん北を見ると、以前に報告した八 田城や島田城あるいは豊地城などもその範囲に入ってきます。白米城での狼煙の意義は大きそうです。 堀坂山~白米城の断面図も示しておきます。 |
|
![]() 距離が5kmとなり、ある程度の視力があれば十分確認できる距離となります。 ![]() 最後になりますが、阿坂小学校付近から見た白米城の遠景です。中央上にあるやや白っぽい部分が曲輪となります。椎之木城はこの 写真では分かりません。 |
|
![]() ![]() |
|
その他の記事についてもご覧ください<トップはこちらから> | |
アーカイブを表示