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南宮山砦を訪ねて

加藤 進   社会連携特任教授    
紀平 征希  研究員         
木澤 良昭  (公財)伊賀市文化都市協会

5月26日は天候が危ぶまれましたが南宮山砦を攻めました。登山ルートは敢国神社の参道を奥まで行き、"NHK伊賀TV中継局"登り口とある柱の坂からです。途中にはテープが巻いてあったり、わかりにくいところには"浅間社"の看板が出ています。30min程度で頂上に着きました。この場所に登ると「のろし」に対する地点の重要性が良くわかります。左側に大山田、右手に友生の平原が広がっています。よくみると"ゆめドーム"の屋根も見えます(ちょうど 5kmです)。カシミール3Dでシミュレーションをしてみましょう。 

伊賀拠点はみえないのでゆめドームを対象にします。このように"見える"と判定されます。5kmなので天候や風が問題なければ明瞭に確認ができると思います。もちろん、村田先生が指摘するように、大峯山が前にあり向こうはみえません。そこで以前に報告した大峯山が第二中継点としてクローズアップされてきます。この2点でほぼ伊賀をカバーすることができます。

ただ、阿保の方には田中氏城跡あるいは初瀬街道を見張る意味で城氏城跡にルートが伸びています。これらを地図に表すと図のようになります。漫然と南宮山や大峯山をみているとこれで大丈夫?と思いますが、よく観察すると後ろに霊山(766m)が控え、ちょうど2つの山は中腹にあたります。

  狼煙をあげる場合には鉄則があり、

   ・風の少ない朝あげる

   ・頂上であげず、

   ・後ろに壁があるような中腹であげる

等です。つまり、のろしの鉄則の一つである、「後ろに高い山があり、中腹から揚げる」と明瞭にみえるを守っております。問題の砦跡の「伊賀の中世城館」から引用した見取り図です。現在は、中継局建設のために一部が破壊されています。中央部の社に土塁跡をみることができます。おそらくは重機の導入で残りの部分も非常にわかりにくくなっています。実際に山に登ると、カシミール3Dの偉大さがよくわかります。


山頂からゆめドームを見る


周囲に土塁が見える


(伊賀の中世城官から引用)

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