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再び鎌刃城跡に狼煙を求めて
社会連携特任教授 加藤 進
11月23日(水)は琵琶湖一周狼煙マラソンです。去年に引き続いて鎌刃城跡から見物です。泉峰一会長にお願いしたら快く引き受けていただきました。鎌刃城跡へのトレッキングルートを図1に示しました。前回は心の余裕が無く、鎌刃城跡の虎口の写真を撮ることで精いっぱいでした。
図1
今回は少し余裕が出ました。何と南の曲輪の近くに大堀切がありました。さすがに、安土・桃山城の母城と言われるだけあって、立派な大堀切でした(写真1)。去年はあいにくの曇り空で4km程度の視界でした。今年はこれまででも最高といわれるほどの視界でした。約10km離れた弥高寺遺跡(伊吹山の中腹?)、4~5km離れた澤和山城跡、
写真1
2~3kmの地頭山城跡、磯山城跡(4~5km)が確認できました。鎌刃城跡に着いた時は風が吹いていましたが、烽火をあげるときには奇跡的にカーム状態でした。 伊吹山中腹での写真2を掲載します。
写真2
最近、烽火を観察することによって、以下の二点に気が付きました。すなわち、①どこのポイントでも烽火は山の頂上ではあげません。ちょっと下がった場所であげられて、つまり煙の背景に青あるいは緑青色の山があることが共通点です。空に向かってあげると極めて確認が難しくなります。皆さんは烽火と言うと火を起こして、十分な火力を作り、煙を作る事を想像していませんか?これでは白い煙が出ません。
今年、飯福田寺(松阪宇気郷)の開山式の護摩祈祷で山伏が、煙の勢いが弱ると水を少し火種に打つことを観察しました。ここでも、本番では火力を弱めるために、杉やヒノキの葉に水を撒いて炉にくべていました。立ちどころに白い煙が立ち上りました。②白い煙は水分で、火力が強すぎてはいけないことです。
正午近くにイベントは終了、当日は「千石ウオーク」が併設され、番場の公民館に場所を移して丸山竜平教授の講演会に参加しました。中世居館、中世城館、山城に関する極めて興味深いお話でアッと今に2時間たってしまいました。先生に寄れば、番場(中山道)のようにごく狭い場所に7か所の中世城館があるのは珍しく、全国的にも貴重な遺跡であるとのことでした。
最後の写真は、鎌刃城跡を示す石碑の除幕式直後です。石屋さんが寄付してくれたそうです。石碑の建立で、文化を伝える風土がすこしでも広がれば嬉しいことです。当日、お世話になった皆様にあつくお礼申し上げます。
(一番左が泉会長です)
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