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忍者研究報告(狼煙研究)飯高落合に峰城跡を訪ねる

飯高落合に峰城跡を訪ねる

伊賀サテライト 社会連携特任教授 加藤 進

 5月18日は峯城跡を攻めました。恐らくは松阪市にある城跡の内で奈良の県境に一番近い城と思います。もう少し北に移動すると以前に報告した古田砦(メナード青山)があります。

遠景.JPG 17051802.jpg 17051801.png 

        遠景           図1             縄張り図

写真でみると形のよい山のてっぺんにあります。標高は506mで、比高さは200m程度です。トラックを図1に示しておきます。また、縄張り図(堀切を筆者が追加)も示します。今回は急峻な壁を登るので山岳部の方々にロープをはってもらいました。

堀切A.JPG  堀切B.JPG  

                 堀切A            堀切B

まず、堀切(A)があります。これは小規模でやや埋もれているものの形は明瞭です。これを過ぎると、東郭(主郭?)です。削平地ですが低木が茂り地面が見えないので確認は難しい。西側に櫓台とも思われるややくずれた高台があります。

東郭上の櫓台.JPG 西郭.JPG マムシ.JPG

東郭上の櫓台       西郭             マムシ 

さらに西に進むと長方形の大きな石が数個点在します。ここで、恐ろしい生き物を見つけました。なんとマムシが日向ぼっこをしていました。まだ、気温が低いのであまり動きは俊敏ではありません。みんなで追い払い、東郭と西郭を分ける堀切(B)も容易に確認しました。西郭はやや地表が現れており削平の状態が分かります。

                                                                   堀切C.JPG 堀切Dと土橋.JPG 大石.JPG           堀切C       堀切Dと土橋          大石

さらに西に進むとやや広く深い堀切(C)に遭遇します。峯城跡ではこの堀切(C)が最大の規模です。痩せ尾根を更に西に進むと、小堀切(D)と(E)を確認できます。小振りですが形は明瞭に確認できます。「三重の中世城館」にはBとCしか記載されていません。この城は506mの山頂にあり、見下ろすことができたと思われますが、曲輪も狭く、大勢の兵士を常駐させるのは困難で、加えて道が悪いので兵糧や水攻めを受けたらひとたまりもありません。戦闘を考えると不思議な城といえます。

 

堀切E.JPG    

              堀切E                         

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