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今年ものろしを白米城跡から(忍者のろし研究)

去る2月4日(木)に松阪山城会で恒例の烽火上げを白米城跡(330m)と6km離れた白山城跡(93m)から発煙筒で実施しました。今回は通信実験としては2回目で、900に白米城跡でのろしを上げて、確認後の905に白山城跡で狼煙をあげました。

今回の目的は、

1)烽火上げの前に旗(黄色)の確認

2) 再度相互通信の確認

3) 鏡を使った光通信の可能性確認

4) 小学校での総合学習に資する

でした。いろいろなことが分かりました。

煙源の問題:去年は発煙筒を1本しか使いませんでしたが2本を同時に使うことで白山城からののろしを白米城跡での確認が容易になりました。したがって、当時では相当量の松、杉、ヒノキが使われたと思います(写真1)。

白米城のろし.jpg

写真1

風向と山頂の木々:今年も北西風が強く、煙は流れました。松阪側旧市内側の観測点(宝塚、鍋倉山)では白米城跡からののろしの肉眼での確認が難しかったようです。さらに、白山城跡では、煙突の高さがやや低く(安全上の問題でこれ以上は無理)、煙が森の茂みの頂上まで風の影響もあり上がらず、少し低いところからたなびいたので(図1)近くの小学校でも観測は難しかったようです。昔は基本的に山には木々が繁茂せずこんなことは無かったと思います。風下からみると森の中(緑の背景)から白い煙があらわれるのでのろしの形状は極めてはっきりした輪郭になります。また白米城跡の頂上には全く木立が無いのでこんなことは起こりません。

鏡の反射:去年にたまたま遭遇した光の反射を確認する意味で20cm角の鏡を使って白米城跡の上で角度を変えて光を反射させて、白山城跡で参加者全員が反射光を確認しました。しかし、6km離れていると鏡の反射角度がかなり微妙で、たとえ短時間でも反射方向を手で鏡を持って固定することは難しく、写真はうまく取れませんでした。なお、写真2はR01にたまたま門山会員が撮った反射の瞬間(松ヶ崎側約6km)です。

筒ひかり.jpg

写真2

このイベントの概要は夕刊三重(2/4)と中日新聞(2/5)に掲載済みです。

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